これからテントを買う人、買い替えを検討している人、初めて自分で設営する人向けに、「種類」「人数」「季節」「価格」の観点から失敗しない選び方を伝えます。さらに、実際に現地で困らないように設営の基本手順とちょっとした裏ワザも画像付きで解説します。ソロ・デュオ・ファミリーそれぞれに合う選び方と、撤収・保管のコツまでカバー。

なぜテント選びが重要か

テントは「寝る」「荷物を置く」「雨や風をしのぐ」というキャンプの基本を担うギアです。適さないテントを選ぶと寝心地が悪い・撤収に時間がかかる・天候で大変な思いをする、ということになります。用途(ソロ、ファミリー、車or徒歩)、行く季節、予算を整理してから候補を絞ると失敗が減ります。

テントの種類と特徴

ドーム型テント(初心者に一番おすすめ)

安定感があり設営が比較的簡単。自立するので地面の条件に左右されにくく、ソロ〜ファミリーまで汎用性が高いのが特長です。メーカーの設営手順を見れば一人でも立てやすい作りになっています。

ドーム型は居住性と設営のしやすさで人気。※画像参照。

ワンポール(パップ)テント(見た目重視・軽量)

シンプルな構造で見た目が良く、軽量なモデルが多いです。反面、ペグやガイラインで適切に張らないと風に弱い場合があるので注意が必要です。

ワンポールは絵になる外観が魅力。

トンネル型・ツールーム(ファミリーに最適)

居住空間が広く、居住性重視のファミリー向け。通年使えるモデルもありますが、設営はやや複雑になることがあるため、初回は説明書どおりに二人で設営することをおすすめします。

トンネル型は広い居住空間が魅力。

※まとめ:初心者はまずドーム型を検討。性能や見た目を優先するならワンポール、居住性を優先するならトンネル型が向きます。

人数・荷物から考えるサイズの決め方

サイズ選びの基本は「使用人数+余裕分」の考え方。目安は以下のとおり:

使用人数 推奨テントサイズ
1人(ソロ) 1〜2人用(装備や広さを重視するなら2人用)
2人(デュオ) 3〜4人用(荷物が多い場合は3人用以上)
ファミリー(3〜4人) 4〜6人用(リビングスペースが必要ならツールーム)

ポイントは「人数通り」を選ばないこと。荷物スペースや就寝時の快適さを考えると、人数+1〜2人分の余裕を見ると失敗が少ないです。

季節・耐水圧・素材の選び方

耐水圧の目安

一般的な目安としては、1,500〜2,000mmが標準、雨が多い地域や本格的な雨対策をしたいなら3,000mm以上を検討します。グランドシートを併用することで浸水リスクをさらに下げられます。

※耐水圧の数値はメーカーや素材で差があります。実際の使用では縫い目やジッパー部分からの浸水も考慮してください。

3シーズンと4シーズンの違い

  • 3シーズン:春〜秋の使用を想定したモデル。通気性が良く軽量なものが多い。
  • 4シーズン:冬季も想定した耐風・耐雪性能の高いモデル。重量・価格が高め。

重量・収納サイズと移動手段別のおすすめ

移動手段によって求める重量が変わります。車移動であれば多少重くても快適性重視の選択が可能ですが、徒歩・自転車・バイクでの移動なら2〜3kgクラスの軽量テントを検討しましょう。特にバックパッキングでは1kg台を目指す場合もあります。

  • 車:居住性・耐久性重視でOK
  • バイク:収納サイズと耐風性を両立するもの
  • 徒歩/バックパック:軽量化と耐久性のバランスを検討

価格帯で見る選び方の目安

おおまかな価格帯の目安:

  • 〜2万円:エントリーモデル(初心者の練習用)
  • 2〜5万円:コスパが良い主流ライン(耐久性・機能のバランス)
  • 5万円〜:高機能・高耐久・ブランド製(長く使うならこの辺り)

大事なのは「価格=正解」ではなく、用途に合った機能(耐水圧、ポール構造、換気、ジッパー品質など)を見極めることです。

設営の基本手順とコツ

Step 0:準備(場所選び)

  • 平坦で水はけの良い場所を選ぶ
  • 木の下は落枝に注意して避ける
  • 風向きを確認し、入口(ベンチレーション)は風下に向ける
  • 地面の枝や石を取り除く

Step 1:グランドシートを敷く

テント底面の摩耗防止と浸水防止に有効。シートはテントより少し小さめに敷くのが基本(シートが雨で水を溜めないように)。

グランドシートでインナーを守る(イメージ)。

Step 2:ポールを組み立て、インナーを立てる

ポールは差し込みに力を入れすぎない。ゴム折れを防ぐために全体を均等に組む。初めてのときは説明書順どおりに行うこと。

Step 3:フライシートをかぶせる

シワを伸ばしながら被せてからペグで仮止め→最終的にテンションを張って本締めします。

Step 4:ペグの打ち方(基本)

ペグは地面に対して約45度の角度で打つと保持力が高まります。山への向きや地盤の種類で角度や打ち深さを調整してください。

Step 5:ガイライン(張り綱)でテンション

ガイラインは均等にテンションをかける。強風時は張り位置を増やすか角度を調整して風当たりを分散します。

設営ワンポイント:「ペグは最初に軽く打つ→最後に本締め」の流れで行うと位置調整が楽です。夜の設営はヘッドライトの下で作業し、足元や指の位置に注意しましょう。

トラブル対処と裏ワザ

突風が来たとき

まず入口は閉めて内部のものが飛ばないように固定。ガイラインを追加し、ペグを深く打ち直す。風上側を低く、風下側を高く張ることで風の抜けを作る方法も有効です。

雨が強いときの対処

フライに雨水が溜まらないようにテンションを張る。浸水が疑われる場合はインナーとフライの間にタオル等で水流を誘導し、就寝前に最小限の荷物を高い位置に移動します。

撤収を早く行う裏ワザ

  1. インナー→フライの順で折りたたむ(濡れ具合で変える)
  2. 完全に乾かす時間がなければ、帰宅後に家で広げて乾燥させる
  3. ポールは真ん中から畳むとゴムの引っ張りを均等化でき長持ちしやすい

撤収・保管のポイント

テントは濡れたまま収納するとカビや臭いの原因になります。可能な限り乾かしてから収納するのが最良。帰宅後に屋外で広げる時間が取れない場合は、室内で風通しの良い場所に広げて乾かしましょう。グランドシートの泥は大きな塊を落としてから水で流すのが簡単です。

よくある質問(FAQ)

Q. 初心者におすすめのテントは?
A. 設営が簡単で汎用性の高いドーム型(3シーズン)をまず検討。価格帯は2〜5万円あたりでコスパが良い機種が見つかります。
Q. テントの耐水圧って実際どれくらい必要?
A. 日常的な小雨なら1,500〜2,000mmで問題ないことが多いですが、雨が多い地域や長時間の豪雨予報がある場合は3,000mm以上のモデルを検討してください。フライと床(グランドシート)で二重対策をするのが安全です。
Q. ペグは何本あれば安心?
A. テントの付属数+予備2本を目安に。風が強い時はガイラインを増やすと安全性が上がります。ペグの素材や地盤に応じて選択してください。

まとめ(チェックリスト)

  • 初心者はまずドーム型を候補に入れる。
  • 人数+1〜2人の余裕サイズで選ぶ。
  • 雨対策は耐水圧だけでなく縫い目・ジッパー対策も重要。グランドシートを併用。
  • 設営は「グランドシート→インナー→フライ→ペグ→ガイライン」の流れ。ペグは45度で仮止め→本締め。
  • 撤収は可能な限り乾かしてから収納。帰宅後の完全乾燥は必須。

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